[JP] サヴィエ・ドレフス: ベネッサ・フィロ作映画<天使の顔>のサウンドを手掛ける

SONOSAX SX62R AND SX-R4+

2018年5月2日  SONOSAX ユーザーのサヴィエ・ドレフス氏からの感想

SX- R4+は小型でも頑丈です

ベネッサ・フィロとマリオン・コティア、アルバン・レノアによる初の長編映画 “Gueule d’Ange-天使の顔” の録音にはSONOSAX SX-R4+を選びました。映画は昨秋、フランスのマルセイユで撮影しました。

SX62Rのクオリティの高さとそのプリアンプに魅せられて以来、SX62Rのユーザーです。2011年のドキュメンタリーとフィクション映画の撮影でSX62Rを使用したのが始まりです。最新の更にパワフルになったSX-R4+を選んだことは自分の作業手順の進化過程として当然な流れでした。

2018年のカンヌ映画祭で注目の映画 Gueule d’Ange  <天使の顔>

上映日: 2018年5月12日のカンヌ映画祭にて
フランスでは2018年5月23日
作: ベネッサ・フィロ(Venessa Filho)
制作: キャロル・ランバー、マーク・ミッショニエ(Carole Lambert , Marc Missonnier)
出演: マリオン・コティア、アルバン・レノア、アイリン・アクソイ-エテ(Marion Cotillard, Alban Lenoir, Ayline Aksoy-Etaix)

サウンド担当: サビエ・ドレフス (Xavier Dreyfuss)
ブーム担当: ギヨム・ウルミック (Guillaume Hurmic)

オーディオ機器

  • SONOSAX SX-R4+ 及び SX62R
  • CMIT 5U/M160/MKH40
  • HF Zaxcom QRX100/TRX900LA
  • HF Lectrosonics SSM/SRC

サヴィエ ドレフス
20年以上に渡りサウンドレコーディングとミクシングを行う。ドキュメンタリー多数の他、インディペンデントの長編映画を共同で手掛けてきた。
駆け出しの頃には多くの仕事をこなし耳を鍛えた。短編映画の撮影で助手をしていた時期にSONOSAX SX-PR に出会って以来SONOSAXを使い続けている。SONOSAXブランドが進化を遂げる中、自身はSONOSAXユーザーとして進化し続けている。
facebook.com/XavierDreyfussPro

構成

入力の数が増える中、SONOSAX SX-R4+ 16トラックレコーダーとインターフェースの新機能を活用するにはAreitec のミシェル・ピエールと相談し、2機をデジタルリンクで繋ぐことにしました。SX62Rにデジタル出力オプションカードを付け加え、SX-R4+とは3M MDR26ピンのデジタル入力のコネクターに繋ぎました。

デジタルリンク

2台ともに完全なトランスペアレンシーのおかげで、SX-R4+レコーダーと同一の音色のプリアンプを10個用いることができます。又、SX-R4+には2つのアナログライン入力と追加のAES入力を確保してあり、この構成では、両機器の出力数は変更されません。10個のアナログチャンネルで、うち4つはAESに切り替え可能。

安全性について

この構成とSX-R4+の内部ルーティングのお陰で、2本のブームポール、6つのHF入力、MSカップル、2つの予備用マイク入力を追加して録音することが出来ました。全てのマイクは内部でプレミックスされ2トラックのミックスダウンを設定しています。全部で14チャンネルあります。(最大16チャンネルまで可能)

アナログ入力からAESへの簡単な切り替えで、基本の構成を変えることなくSuper CMIT (Shoepsのマイク)を使用することが出来ました。

ミックスダウンはSX-R4+のライン出力を経てSX62Rのライン入力にフィードバックされ、2本のトラックに録音されて安全性を最大限に高めました。両方の機器は同じTCと同期していました。これでバックアップレコーダーがメインレコーダーと同レベルのクオリティになりました!

ルーティングについて

非常に直観的なルーティンググリッドは、ソースをSX62Rの入力に簡単に切り替えることを可能にしました。ローカットと追加のリミッターの利点があります。SX-R4+の入力全てにディレイの追加が可能になり、デジタルHF (8ms のディレイ)とワイヤードマイクの完全な位置合わせが可能になります。アナログ入力のダイナミックレンジは非常に大きいので、困難な録音場面でも飽和してしまうことはまずありません。2台ともにコンパクトなので、フィールド録音においてもフルセットアップを同じバックに収めることが可能でした。

結論

慣例にないやり方で機器をセットアップしたことで人間工学の点でも信頼性の点からも向上し、何より音質が向上しました。Schoeps とBeyerdynamic M160マイクとの完璧なマッチングは、映画のアイデアと完璧に調和したきれいで正確なソフトサウンドを実現します。

次回の録音ではカートを使用したセットアップ方法を完成させたく思っており、SX-R4+ミキシングコントロール用サーフェイスの発売を楽しみにしています。